ウィジウィグを独自で実装する機会があったので、オープンソースのウィジウィグエディタ「Quill」を使ってみました。
対応ブラウザ
対応ブラウザは公式のドキュメント内に記載がありますが、IEには対応していないようです。
導入
まずは公式のQuickstartを参考に簡単に導入してみます。
ダウンロード方法はいくつかありますが、今回はCDNを使用します。
<link href="//cdn.quilljs.com/1.3.6/quill.snow.css" rel="stylesheet"> <script src="https://cdn.quilljs.com/1.3.6/quill.js"></script>
ウィジウィグを設置する要素を用意します。
<div id="editor"> <p>Hello World!</p> <p>Some initial <strong>bold</strong> text</p> <p><br></p> </div>
#editor内の要素が初期値になります。
JavaScriptでウィジウィグの設定を行います。
var quill = new Quill('#editor', {
theme: 'snow'
});
これでウィジウィグの設置ができました。
ウィジウィグ設置のデモページ
先ほどはSnowというテーマを使用しましたが、他にもBubbleというテーマも用意されています。
先ほどのCSS読み込みを下記に変更します。
<link rel="stylesheet" href="//cdn.quilljs.com/1.3.6/quill.bubble.css">
JavaScriptのthemeを変更します。
var quill = new Quill('#editor', {
theme: 'bubble'
});
これでテーマをBubbleに変更できました。
Snowはエディタ上部にボタンが表示されていたのに対して、Bubbleはテキストを選択すると吹き出しでボタンが表示されます。
Bubbleのデモページ
ここまでで簡単な動作は確認できましたが、実際に使用する場合は入力した内容をinputなどに追加して、フォーム送信する必要があります。
エディタに入力した内容をinputに動的に追加する処理も作成してみます。
<div id="editor"></div> <input type="text" id="editor-input" name="editor-input">
ウィジウィグ用の要素とフォーム送信用のinputを設置しました。
今回は表示確認用にtypeをtextにしていますが、実際は見える必要がないのでhiddenにしてください。
JavaScriptでinputに動的に追加する処理を追加します。
var editor = document.getElementById('editor');
var editorInput = document.getElementById('editor-input');
var quill = new Quill(editor, {
theme: 'snow'
});
quill.on('text-change', function(delta, oldDelta, source) {
var editorHtml = editor.querySelector('.ql-editor').innerHTML;
editorInput.value = editorHtml;
});
text-changeはQuillで用意されているイベントで、エディタの内容が変更された時に発火します。
HTMLを含めた内容一式を取得するメソッドが見つからなかったので、innerHTMLで取得してinputを書き換える形で実装しています。
inputに反映するデモページ
オプション
オプションの中からいくつか試してみます。
オプションについて詳しくは公式のドキュメントをご確認ください。
| placeholder | エディタが空の時のplaceholderを設定。 デモページ |
|---|---|
| readOnly | エディタを読み取り専用(編集不可)にするかどうかを設定。 初期値はfalse。 デモページ |
| scrollingContainer | エディタのスクロールバーを出す要素を設定。 |
| theme | 使用するテーマ名を設定。 設定できる値は’bubble’か’snow’。 |
| formats | エディタで許可するフォーマットのホワイトリストを設定。 設定できる項目はこちら デモページ |
modules
modulesはウィジウィグに含めるモジュールとそのオプションを設定します。
| Toolbar | ツールバーの項目の設定。 ボタン追加のデモページ カスタムHTMLで設置のデモページ カスタムハンドラーのデモページ |
|---|---|
| Keyboard | ショートカットの設定。 デモページ |
| History | 入力の取り消しややり直しの設定。 delay: 履歴を保存する間隔を設定。初期値は1000。 maxStack: 履歴の最大保持数を設定。初期値は100。 userOnly: ユーザーの操作による変更のみ履歴に残すかどうかを設定。初期値はfalse。 デモページ |
| Clipboard | コピーやカット、ペーストに関する設定。 |
| Syntax | コードブロックを拡張してハイライト表示する設定。 |
API
メソッドやイベントの中からいくつか試してみます。
詳しくは公式のドキュメントをご確認ください。
Content
| deleteText | エディタ内のテキストの削除。 |
|---|---|
| getContents | エディタ内のコンテンツ取得。 |
| getLength | エディタ内の文字数取得。 |
| getText | エディタ内のテキスト取得。 |
| insertEmbed | エディタ内に要素を挿入。 |
| insertText | エディタ内にテキストを挿入。 |
| setContents | エディタを指定した内容で上書き。 |
| setText | エディタのコンテンツを指定したテキストで設定。 |
Formatting
| format | 選択したテキストを指定した形にフォーマット。 |
|---|---|
| formatLine | 指定したテキストの行を指定した形にフォーマット。 |
| formatText | 指定したテキストを指定した形にフォーマット。 |
| getFormat | 指定したテキストのフォーマットを取得。 |
| removeFormat | 指定したテキストのフォーマットを削除。 |
Selection
| getBounds | 指定したテキストの位置などを取得。 |
|---|---|
| getSelection | 選択しているテキストの位置と範囲を取得。 |
| setSelection | 指定したテキストを選択状態にする。 |
Editor
| blur | エディタからフォーカスを外す。 |
|---|---|
| disable | エディタの編集を不可にする。 |
| enable | エディタの編集を可能にするかどうか。 |
| focus | エディタにフォーカスを当てる。 |
| hasFocus | フォーカスが当たっているかどうかを返す。 |
Events
| text-change | エディタの内容が変更された時に発火。 | selection-change | 選択範囲が変更された時に発火。 |
|---|---|
| editor-change | text-changeまたはselection-changeのイベントが発火する時に発火。 |
| off | イベントハンドラーを削除する。 |
| on | イベントハンドラーを追加する。 |
| once | 1回だけ実行されるイベントハンドラーを追加する。 |
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